解析概論/第3章/曲線の長さ
[編集] 40. 曲線の長さ
次に述べることは各次元に通用するけれども,簡明のために平面曲線について説明する.媒介変数
は区間
において変動するとして,曲線

を考察する.もちろん
は
において連続とする.
の或る値に対応する曲線上の点
を点
と略称する. さて区間
の分割
)
に対応して,曲線 (1) が
個の弧
に分たれる.それらの分点を順次に弦
で結んで,内接折線
の長さを
とする.すなわち

と置く.もしもすべての分割
に関して
が有界ならば,その上限を
として,それを曲線 (1) の弧
の長さの定義としようというのが我々の目標である.
を次のように略記する.

然らば


だから

故に
が有界なるがためには,
と
とが
において有界変動なることが必要かつ十分なる条件である(§39). さて
が有界ならば,その上限なる
は

として求められる.
は分割
における細区間
の最大幅,すなわち
である.
において細区間
の内へ一つの分点
を挿入すれば,弦
が弦
弦
で置き換えられるから
は増大するが,
の連続性によって,その増分は
を十分小さく取るとき任意の
よりも小さくされる.よって94頁と同じ意味に,分割
を取れば



は分割
における分点の数だから,定数である.故に
とされて
.さて
とすれば区間
に対応して上記のような極限値
が確定する.それを曲線 (1) の弧
の長さとする.然らば
なるとき,弧長の加法性:
弧
弧 
は (2) によって明白であろう.もしも
を起点として,弧
の長さを
で表すならば,弧
である.またもし曲線上の弧に向きを付けて
弧 
とするならば,(3) は
の大小にかかわらず,常に成り立つ.
これまでは,
と
との連続性と有界変動性とを仮定したが,それだけでは曲線の範囲があまりに広汎で,興味が乏しいから,これから後は
と
とが微分可能で,かつ
が連続で,それらは同時に
にならない,
,と仮定する,すなわち滑らかな曲線を考察する.然らば弧
の長さは

今その証明をする.証明というのは,
の連続性の仮定の下において,(2) すなわち
弦 
から (4) を導くことである.さて

これは微分法の平均値定理による;
はともに
と
との中間値である.従って
.今

と置けば

はじめの
の
は上掲 (4) の定積分であるから,問題は

を確かめることに帰する.
は仮定によって連続だから,
のとき
だけれども,それだけでは (6) を確認するには十分でない.さて (5) から
連続の一様性によって,任意に
を与えるとき,上記の
を十分小さく取って

ならしめることができる.然らばすべての
に関して (6) において
,従って

は任意に取れるから,(6) が成り立って,(4) の証明が終わる.
が連続なる区域内では,(4) における積分の限界は任意であるから,今
を固定して弧
の長さを
と書けば

さて (7) から

を得るが,媒介変数に関係なく,微分記号を用いて

(7) によって,
は
に関して連続かつ単調増加(狭義)である.(ここで仮定
を用いた.)従って
と
との間に1対1対応が成り立つから,
を曲線の媒介変数とすることができる(定理 15参照).その場合には

また曲線が
の形で表されるときには,
が
の役目をするから,

また曲線が極座標で
の形に表されるときには
を媒介変数として

故に

簡略して

すなわち

,の弧長
は,点
を起点にすれば:



は離心率である.
の弧長も
と置いて,同様の計算で,楕円積分に帰する.
,一定の積が
なるときが通常のレムニスケート[Bernoulli のレムニスケート]である.その方程式は極座標で



から測った弧
の長さは

とすれば


に等しいことは 
において,頂点
から任意の点
までの弧長を
から

(
であるが,今

で,



は
のような形の式で表されているが,
は三点
間の距離の三角関係,後の