解析概論/第3章/定積分の近似計算
[編集] 38. 定積分の近似計算
連続函数の不定積分の存在は証明されたけれども,それが既知の函数で表わされるのは特別の場合に限るから,一般に不定積分から定積分を計算することはできない.しかし Weierstrass の定理(§78)によれば一つの区間
において,連続なる
に一様に近似する多項式
が存在するから,今もしも
において

とするならば
の近似値として
を取るとき,誤差は
以内に止まるであろう.実際は,
を与えて
を求めることは困難であるけれども,多項式による近似法を基調として,実用上相当効果的なる計算法が考案されている.今ここでは,Simpson の方法および Gauss の方法を述べる.次の公式(1) は,それの準備である.
を三次以下の多項式とすれば,

今最も粗雑な近似値として連続函数
を
および
においてそれに一致する二次式
で置き換えて,積分を計算すれば

を得るが,もしも
が第四階まで連続的微分可能とするならば,剰余項を入れて精密に


を得る.証明は簡単である.前のように

と置いて,変数を変換して

を
の函数として考察する.然らば簡単な計算によって


そこで区間
において
に Taylor の公式を適用すれば(118 頁)

平均値の定理によって
![\begin{align}
\varphi(&h)=\frac{\varphi'''(\eta)}{2\eta^2}\int_0^hx^2(h-x)^2\,dx &&(0<\eta<h) \\
&= -\frac{f^{(4)}(\xi')}{3}\left[
\frac{x^5}{5}-\frac{2hx^4}{4}+\frac{h^2x^3}{3}
\right]_0^h && (-\eta<\xi'<\eta) \\
&= -\frac{f^{(4)}(\xi')}{3}h^5\left(\frac{1}{5}-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}\right) \\
&= -\frac{h^5}{90}f^{(4)}(\xi').
\end{align}](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/3/b/f/3bfe1fcac7e6b2cf33fd1db8fe75443a.png)
だから.これは即ち上記(4) である.
を
等分して,各分点に対応する
の値を
とし,
と置いて,
に隣る二つの区間に関する積分
の近似値として,(3) のように

の上にわたって総計すれば

もしも (4) によって剰余項をも取るならば,総計して

平均値
を用いて,

または
を用いて

を大きく,従って
を小さく取るとき,これは Simpson の公式の誤差の限界を与える.
から
の近似値を計算してみよう.
とすれば,
.


を応用する(§36).まず変数の一次変換によって積分区域を
に直し,また
を
次以下の多項式として,それを
で割って
とすれば,商
も剰余
も
次以下であるから(§36)


の根を
とすれば, Lagrange の補開式(244頁)によって(
に注意して)




および
は
のみに関する.その値の表ができている.

に関して

さて任意の連続函数
があるとき,区間
において
およびそのほか
個の点,すなわち合せて
個の点において
と等しい値を有する
次以下の多項式を
として,それを
に代用して,
の近似値として
を取るとすれば,(7) から

を得る.
個の値
だけを用いて,この近似値が計算されるところに Gauss の方法の特色がある.
に移し,
の一次結合だから,これらに関して