解析概論/第2章/高階微分法

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[編集] 19.高階微分法

y=f(x) の導函数を f'(x) とするとき,f'(x) の導函数を f(x) の第二階の導函数といい,それを f''(x) と書く.第 n 階の導函数 f^{(n)}(x) もこれに準ずる.f^{(n)}(x)y^{(n)} または y^{(n)}_x あるいはD_x^{(n)}y などとも書く.一点 x における f''(x)

の値.すなわち


  \frac{d}{dx}\left(\frac{dy}{dx}\right)
 を \frac{d^2y}{dx^2} と書く.
同様に
\frac{d^ny}{dx^n} = f^{(n)}(x).

上記の記号において,dx^2 は巾 (dx)^2 であるが,d^2yd(dy) の意味で,それを y の第二階の微分という. §13で述べたように,微分記号を用いて

dy = y'_xdx

と書くとき,両辺の微分を取れば,d(dy), d(dx)d^2y, d^2x と略記して

(1)
d^2y=y''_x(dx)^2+y'_xd^2x.

これは積の微分法である.さて x が独立変数ならば,dx=\Delta xx に関係なく自由に取れるのだから,d^2x=d(\Delta x)=0

として

d^2y=y''_xdx^2.

これは \textstyle \frac{d^2y}{dx^2}=f''(x) を意味する.しかし,もしも x=\phi(t)t の函数,従って y=f(x)t の函数であるならば,d^2x=x_t''dt^2 で,(1)

d^2y=y_x'' x_t'^2 dt^2+y_x' x_t'' dt^2

になる.それは


  \frac{d^2}{dt^2}f(\phi(t))=f''(\phi(t))\phi'^2+f'(\phi(t))\phi''(t)

を意味するが,(1) では補助変数 t を表面に出さないで,直接に xy との間の関係が示されている.そこに微分記号の特色がある. u,vx の函数なるとき,

\frac{d^n}{dx^n}(u\pm v)=\frac{d^nu}{dx^n}\pm\frac{d^nv}{dx^n}

また積 uv に関してはいわゆる Leibniz の法則が成り立つ.すなわち

\frac{d^n(uv)}{dx^n} 
  = u^{(n)}v+\binom{n}{1}u^{(n-1)}v' + \cdots
  + \binom{n}{k}u^{(n-k)}v^{(k)} +\cdots+uv^{(n)},

\tbinom{n}{k} は二項係数である.これは帰納法によって容易に証明される.右辺の式の組立は (u+v)^n の展開と同型である.

合成函数または逆函数またはすでに商 u/v の高階導函数は簡単な公式であらわされない.

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