解析概論/第2章/練習問題(2)

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[編集] 練習問題(2)

(1)
[a,\infty) において f(x) が微分可能で \textstyle\lim_{x\to\infty}f(x)=f(a) ならば,\xi>a,f'(\xi)=0 なる \xi がある.(Rolle の定理の拡張)
(2)
\textstyle a>0,\frac{d^n}{dx^n}\frac{1}{(1+x^2)^a}=\frac{P_n(x)}{(1+x^2)^{a+n}} とすれば,P_n(x)n 次の多項式で,それは n 個の相異なる実根を有し,それらの根は P_{n-1}(x) の根によって隔離される.
[解]
問題 (1) の応用.
(3)
[1º]
\textstyle \frac{d^n}{dx^n}e^{-x^2}=(-1)^n H_n(x)e^{-x^2} とすれば H_nn 次の多項式である[Hermite の多項式].H_n(x) の根に関しても,前の問題と同様の関係がある.
[2º]
\textstyle e^x\frac{d^n}{dx^n}x^n e^{-x}=L_n(x)Laguerre の多項式]に関しても同様.
(4)
(a,b) において f(x,y) において f(x) は第 n 階まで微分可能で x\to a+0 のとき f(x)\to l,f'(x)\to l_1,\ldots,f^{(n)}(x)\to l_n とする.もしも f(a)=l とするならば,右への微分商の意味で f'(a)=l_1,\ldots,f^{(n)}(a)=l_n
[解]
定理 23 の応用.
(5)
ある領域において f_x,f_y は連続で,点 (a,b) を除いては f_{xy} は連続とする(すなわち点 (a,b) では不連続かもしれないのである).然らば
\begin{align}
  f_{xy}(a,b)=\lim_{y\to b}f_{xy}(a,y)=\lim_{y\to b}f_{yx}(a,y),\\
  f_{yx}(a,b)=\lim_{x\to a}f_{xy}(x,b)=\lim_{x\to a}f_{yx}(x,b),
\end{align}
ただし,右辺の \lim が存在すると仮定するときに,左辺の \lim が存在して,等式が成り立つのである.
(6)
 f(x,y)=x^2\,\mathrm{Arc\,}\tan\frac{y}{x}-y^2\,\mathrm{Arc\,}\tan\frac{x}{y}
x=y=0 における第二階の偏微分商を求めよ.(もちろん x=0 または y=0 のとき f(x,y) の値は \textstyle\lim_{x\to 0} または \textstyle\lim_{y\to 0} で補充されたものとするのである.)
[解]
前の問題の応用.特に f_{xy}(0,0)=-1,f_{yx}(0,0)=1
(7)
合成函数の微分.F(u) において u=\varphi(x) とすれば

  \frac{1}{n!}\frac{d^n}{dx^n}F(u)
  =\sum_{k=1}^\infty\sum_i\frac{1}{i_1!i_2!\cdots i_n!}F^{(k)}(u)
   \left(\frac{\varphi'}{1!}\right)^{i_1}
   \left(\frac{\varphi''}{2!}\right)^{i_2}\cdots
   \left(\frac{\varphi^{(n)}}{n!}\right)^{i_n}.
内の和は i_1\geqq 0,i_2\geqq 0,\ldots,i_n\geqq 0,i_1+i_2+\cdots+i_n=k,i_1+2i_2+\cdots+ni_n=n なる整数 i のすべての組合わせの上にわたる.ただし 0!=1 とする.(Fáa di Bruno
[解]
F(u)Taylor の公式で展開して,u-u_0=\varphi(x)-\varphi(x_0)\varphiTaylor 展開を代入して後 (x-x_0)^n の項を集める.
(8)
[a,b] において f''(x)>0,f(a)>0,f(b)<0 ならば

  a_1=a-\frac{f(a)}{f'(a)},\quad a_2=a_1-\frac{f(a_1)}{f'(a_2)},\ldots
とするとき,a_1<a_2<\cdots<a_n<\cdots[a,b] における f(x)=0 のただ一つの根に収束する(Newton の近似法).
f(a)<0,f(b)>0 ならば b_1=b-\frac{f(b)}{f'(b)},\ldots
を取る.f''(x)<0 ならば -f(x)f(x) に代用する.
[解]
f'(x) が単調に増大することから,根がただ一つあることがわかる.その根を \xi とする.a_i が単調に増大して,しかも \xi よりも小であることは f(x) が凸函数であることからわかる.今かりに \lim a_n=\lambda とすれば,f'(a_1)<f'(a_2)<\cdots<f'(\lambda)<0 だから,
a_{n+1}=a_n-\frac{f(a_n)}{f'(a_n)} から \lambda=\lambda-\frac{f(\lambda)}{f'(\lambda)}, すなわち f(\lambda)=0.
従って \lambda=\xi である.
[注意] 
Taylor の公式\textstyle
  0=f(\xi)=f(a_n)+f'(a_n)(\xi-a_n)+\frac{f''(\mu)}2(\xi-a_n)^2
から f'(a_n) で割って \textstyle
  \xi-a_{n+1}=\frac{f''(\mu)}{2|f'(a_n)|}(\xi-a_n)^2
  < \frac{f''(\mu)}{2|f'(a_n)|}(b-a_n)^2.これから \xi の近似値として,a_{n+1} の誤差の程度がわかる(a_n<\mu<\xi).
[例]
一例として \cos x=x の解を求めてみるとよい.ここでは

  f(x)=x-\cos x,\quad f'(x)=1-\sin x,\quad f''(x)=\cos x.
解はただ一つで,それは区間 [0,\pi/2] にあるが,f(0)<0,f(\pi/2)>0 だから b,b_1,\ldots を用いる.さて \cos の真数表を繰ってみれば,求める角は 42^\circ20'42^\circ21' との間にあることがわかる.よってラジアンに直して
\begin{align}
  &     a= 0.7388561, &      &b=0.7391469,\\
  &\cos a= 0.7392394, & &\cos b=0.7390435,\\
  &  f(a)=-0.0003833, & &  f(b)=0.0001034,
\end{align}
ab も根 \xi と小数第三位までしか合わないが(\sin b=0.6736577

  b_1=b-\frac{0.0001034}{1.6736577}\fallingdotseq 0.7390651
はすでに小数第七位まで根 \xi と合う.b_1-\xi<\tfrac12(b-a)^2.([注意]参照
(9)
有理式 f(x)=P(x)/Q(x) の相隣る極値点が,共に極大点ならば,その中間の或る点 a において \textstyle\lim_{x\to a}f(x)=-\infty
(10)
f(x,y)=x^4+y^4+6x^2y^2-2y^2 に関して
[1º]
極値を求めよ.
[2º]
f(x,y)<0 なる区域の形を研究せよ.
(11)
三角形 ABC の平面上で,三つの頂点からの距離の和が最小である点を求めること.

三角形の内部の点と三つの頂点との距離の和は最も長い二辺よりも小である.

[解]
(最小の場合)各角が 120^\circ よりも小であるときは,求める点は三角形の内部にあって,その点から各辺を見込む角が 120^\circ に等しい.一つの角が 120^\circ 以上ならば,その角の頂点が求める点である.
[注意] 
微分法によって解き,初等幾何学の解法と比較するとよい.
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