解析概論/第2章/微分の順序
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[編集] 23.微分の順序
をまず
に関して微分して,導函数
を得,次に
を
に関して微分して第二階の導函数の一つである
を得る.故に
と
とは観念上別々の物である.然るに或る条件の下において,
と
とが同一の函数になる.今そのうちで最も手近かなものを取るならば:
定理 27.
或る領域において
が連続ならばその領域で
.[証]
領域内の任意の一点
の近傍を考察する.簡単のために
(1)


(2)

(3)

の近傍[* 1]で
が存在するから,(2) から
(4)

と
との間の区間に関して,平均値の定理を
似適用すれば,

(5)

の近傍で
が存在するから,(5) の右辺に
と
との間の区間に関して,平均値の定理を適用すれば

は点
において連続である.故に
(6)

と
とを交換して考察しても同様に
(7)

において,すなわち領域内の各点において,

[注意]
上記の証明を再考してみよう.(6) を得るまでには,定理の仮定の一部分,すなわち領域において
が存在することと,
が点
において連続であることだけを用いた.今その上に,領域内で
が存在することを仮定するならば,(1) から

のとき

のとき,
は一定の極限値
に収束する.故に
のとき

であるから,

よって定理 27 の仮定を緩和して,次のようにいうことができる.
或る領域において,
が存在して,領域内の一点において
が連続ならば,その点において
も存在し,かつ
(Schwarz の定理).もちろん
と
とを交換してもよい.
が存在して,領域内の一点において
が連続ならば,その点において
も存在し,かつ
(Schwarz の定理).もちろん
と
とを交換してもよい.故に
が存在する場合,例えば
を求めたときに,それが連続ならば,
を求めるには及ばない.
定理 27 でも,またはそれを精密にした Schwarz の定理でも,定理の仮定は
が成り立つための十分なる条件であるにすぎない.十分なる条件ならば,次のようにもいわれる.
或る領域において
が(存在して,それらが)領域内の一点において微分可能ならば,その点において
(Young の定理).
Young の定理では
が(存在して,それらが)領域内の一点において微分可能ならば,その点において
(Young の定理).
の微分可能性,従って
の存在を仮定する.しかしそれらの連続性を仮定しない.Schwarz の定理では
の存在の上に
の連続性を仮定するが,
(および
)に関しては存在すらも仮定しない.場合に応じて便宜兼用すべきである.応用上は一般的に定理 27 で用が足りるであろう.もちろん無条件で
とはいわれない.それを認識することは重要だから,今その一例を挙げておく.

とする.
として計算すれば

を交換して符号を変えれば
を得る.また

ならば,これは連続だから,
に等しい.さて,
.然るに
で,
だから
は
で連続.故に
(定理 23).同様に
から
.
第三階以上でも,導函数が連続ならば,それに達した微分の順序を変更してもよい.例えば
のように相接する二つの添字を交換してもよいから,それを繰返えして

等々.よって二つの変数の場合には第二階の導函数は

の三つで,第
階のは

の
個である.三次元以上もこれに準ずる.
- ↑ 近傍といっても,矩形
を全く含めていう.
は任意に小さく取れるから,近傍といってよろしい.

として 
,故に

を得る.
を全く含めていう.
は任意に小さく取れるから,近傍といってよろしい.