解析概論/第1章/区間縮小法
[編集] 5.区間縮小法
において,(1º) 各区間
がその前の区間
に含まれ,(2º)
が限りなく増すとき,区間
の幅
が限りなく小さくなるとすれば,これらの各区間に共通なるただ一つの点が存在する.この定理によって一つの数(各区間に共通なる数)を確定することを,区間縮小法という.

は単調でかつ有界である.よって

に関して
だから,
のとき
,従って
のとき
(7 頁[注意]). さて仮定 (2º) によって,任意の
に対応して,

が存在する.然らば

.
は任意だから
. 任意の
に関して
だから,
は各区間
に属する.
以外に各区間に共通なる数の存在しないことは仮定 (2º) によって明白である.
この定理において,区間
を閉区間として,
の両端
が
に属すると仮定した.この仮定は必要である.
は開区間
に属するとは限らないから,
が閉区間でなければ,上記証明は拘束力を失うであろう.実際,区間の左端(または右端)がすべて同一の点なる場合には,その点がすなわち
である.
以上において,実数の連続性に関する四つの基本的定理を述べた.すなわち
我々は (I) を公理のように取扱って,(I) から (II) を導き,次に (II) から (III) を,また (III) から (IV) を導いたが,これらの定理は,実は,同等である.すなわち四つの定理の中の任意の一つを承認すれば,他の定理はそれから導かれる.それを示すためには,(IV) を仮定して (I) を証明すればよい.
今
を実数の切断とする.我々の目標は定理 7 を仮定して,下組
に最大数があるかあるいは上組
に最小数があるか,いずれか一方,しかもただ一方のみの可能性を証明することである.
から一対の数
を取り出して,区間
を
と名づける.さて
は
と
との中間にあるが,それは
または
のいずれか一方に属しなければならない.
が
に属するか,または,
に属するかに従って,
: または 
と置けば,区間
の左端は
に属し,右端は
に属する.区間
は区間
の左半または右半で,その幅は
である.
同様にして区間
の左半または右半を
とすれば,
は
に属し,
は
に属して,
.
このような操作を継続すれば,区間の列
![I_n=[a_n,b_n],\quad b_n-a_n=\frac{1}{2^n}(b-a)](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/d/5/2/d526798ebfc716b7089127f5cb31f725.png)
を得るが,それは定理 7 の条件に適合するものである.そこで定理 7 に従って,この区間列によって定められる確定の数を
とすれば,
は切断
の下組または上組に属しなければならない.
今
とする[* 2].然らば
なる
を取れば,
によって
なる
が存在するから,
は
に属する.すなわち
は
に属して,
よりも大なる
はすべて
に属する.換言すれば
は
の最大数である.このとき,
に最小数はない.――もしも,かりに
を
の最小数とするならば
,従って上記のように
なる
が存在する.しかも
は
に属するから,これは不合理である.
もしも
ならば,全く同様にして,
が
の最小数で,
に最大数がないことが示される.
すなわち,定理 7から Dedekind の定理が導かれたのである.
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