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おい）て何（なに）か有（あ）らん。曰く、賜（し）や政に從はしむ可きか。曰く、賜（し）や達（たつ）なり、政（まつりごと）に從ふに於（おい）て何（なに）か有（あ）らん。曰く、求（きう）や政に從はしむべきか。曰く、求（きう）や藝（げい）あり、政に從ふに於（おい）て何（なに）か有（あ）らん。〉…

おいて話しましょう。ご承知の通り、両国（りょうごく）の川開きは毎年五月の二十八日ときまっていたんですが、慶応（けいおう）元年の五月には花火の催しがありませんでした。つまり世の中がそうぞうしくなったせいで、もうその頃から江戸も末になりましたよ」 老人は昔を偲（しの）び顔に話し出した。…

おい）て泣（な）かん。主（しゅ）の我（われ）等（ら）を終（おわ）り無（な）き涕泣（ていきゅう）よりすくはんが為（ため）なり、又（また）我（われ）等（ら）を切歯（はがみ）よりも地獄（ぢごく）の火（ひ）よりも救（すく）ひて、病（やまい）と哀（かなし）みと嘆息（たん…

おい）にあたるんです。全真は子供のときから長崎在の小さい寺へ小僧にやられていたんですが、これも何かの失敗（しくじり）があったんでしょう、五、六年前から国を飛び出して、叔母のお鎌をたずねて来る途中、東海道の三島（みしま）の宿（しゅく）から全達と道連れになって、一緒に江戸へ出て来たん…

し）曰（いは）く、由（いう）や果（くわ）なり、政（まつりごと）に從（したが）ふに於（おい）て、何（なに）か有（あ）らむ。曰（いは）く、賜（し）や政（まつりごと）に從（したが）はしむ可（べ）きか。曰（いは）く、賜（し）や達（たつ）なり、政（まつりごと）に從（したが）ふに於（おい…

<<修道士（しゅうどうし）の生涯（しょうがい）の美（び）は如何（いかん）して保護（ほご）せらるゝか、神（かみ）に栄（さかえ）を帰（き）するの順序（じゅんじょ）。>> 修道士（しゅうどうし）はすべての行状（ぎょうじょう）と動（どう）作（さ）に於（おい）て凡（およ）そ彼（かれ）を見（み）る者（もの）の為（ため）に…

中野　一人立つて來た、おい、しやがめ。俺達に氣が付いたんぢやないか？ 尾形　手摺りの所まで立つて來たね。 中野　おい、見るな。（兩人とも川に背を向ける。）日本髪ぢやなかつたぜ。女優髷だよ。 尾形　ぢや博士の奥さんかも知れない。君の眼も信賴出來ないね。 通行人、通る。 中野　おい…

毒物の出所もそれで大抵判ったので、半七はまた引返して両国へゆくと、宗吉は店先に水を打っていた。息子らしい男のすがたは帳場には見えなかった。 「おい、若旦那はどうした」と、半七は宗吉に訊いた。 「わたしが番屋から帰って来たら、その留守にどこへか行ってしまったんです」と、宗吉は云った。…

しゅ）を見（み）ん。常（つね）に神（かみ）を念（ねん）ずる者（もの）は、魔鬼（まき）を遂出（おいいだ）し、怨（うらみ）の種（しゅ）子（し）を絶（た）たん。その霊魂（れいこん）を時々（じじ）監（かん）視（し）する者（もの）の心（こころ）は黙（もく）示（し）を楽（たのし）まん。その智（ち）の視（し…

んしつ）に於（おい）て害（がい）されしにあらず、乃（すなは）ち人々（ひとびと）によりて排斥（はいせき）されたるなり、是（これ）に由（よ）りて預（よ）言者（げんしゃ）は『眞理（まこと）は減少（げんしょう）せり』と云（い）ひし…

し）念（ねん）するとより高（たか）まるに準（じゅん）じ、未（み）来（らい）の望（のぞみ）の為（ため）に費（ひ）心（しん）する程（ほど）は益々（ますます）精（せい）微（び）になりて、祈（き）祷（とう）に於（おい）て照明（しょうめい）せられん。而（しか）し…

しの）び〔エウレイ十二の二〕第二（だいに）に於（おい）ては神使（しんし）の軍（ぐん）に擁（よう）され、光栄（こうえい）にして来（きた）らん。故（ゆえ）に我（われ）等（ら）はひとり第一（だいいち）の臨格（りんかく）にとどまらず、第二（だいに）の臨格（りんかく）をも待（ま）たん…

（かわばたやすなりだいよんたんぺんしゅう「しんじゅう」をしゅだいとするヴァリエイション） 作者：梶井基次郎 底本：１９９９年１１月１０日筑摩書房発行 『梶井基次郎全集　第一巻』 彼が妻と七才になる娘とを置き去りにして他郷へ出奔してから、二年になる。その間も、時々彼の心を雲翳のやうに暗く過るのは娘のことであつた。 「若し…

いたが今さら仕方がない。夫婦はその晩のうちに旅支度をして、六本の蠟燭をかかえて夜逃げをしてしまったんです。 それからひとまず京都へ行って、どういう風に誤魔化したか、ともかくも一本の蠟燭の芯を売って通用の金に換え、それを元手にして二年ほど商売をやっていたん…

子曰：「奢則不孫，儉則固；與其不孫也，甯固。」 〈子（し）曰く、奢（しや）なれば則（すなは）ち不孫（ふそん）、儉（けん）なれば則（すなは）ち固（こ）。其の不孫（ふそん）ならん與（よ）りは、寧（むし）ろ固（こ）なれ。〉 七之三六 子曰：「君子坦蕩蕩，小人長戚戚。」 〈子曰く、君子（くんし）は坦（たん…

し）練（れん）と最（いと）惨憺（さんたん）たる誘惑（ゆうわく）とを以（もつ）てすることは、神（かみ）の定（さだ）むる所（ところ）なり。ゆえにもし霊魂（たましひ）は猶（なほ）此（この）世（よ）に於（おい）ても死（し）を目前（もくぜん）に有（ゆう）し…

んし、用事（ようじ）が重（おも）なれば随分（ずいぶん）泊（とま）って来（く）ることも有（あ）りますけれど、石炭（せきたん）のない蒸気艇（ランチ）で乗（の）り出（だ）して何（ど）うするつもりなんで厶（ござ）んしょう。」 「何処（どこ）かで石炭（せきたん）を買（か）い込（こ）んだのかも知（し）れないね。」…

し、たんと諸聖人（しょせいじん）の通功（つうこう）に与（あづか）れる様（やう）に務（つと）めねばなりません。 [実例（じつれい）] 　ソドマとゴモラの町人（まちびと）は不潔（ふけつ）な罪（つみ）を數々重（かずゝゞかさ）ねて、一向悔（いっかうく）い改（あらた）めようとしません。天主樣（てんし…

まもの）を與（あた）へしむ。少（すくな）き者（もの）の為（ため）に感謝（かんしゃ）せざる者（もの）は多（おほ）き者（もの）に於（おい）ても偽（いつわり）なり、不真実（ふしんじつ）なり。 病（や）んで、その病（やまい）を知（し）る者（もの）は必（かなら）ず療法（りょうほう）を尋（たづ）ねん。己（おの…

たん）、不（ふ）信（しん）、猜（さい）疑（ぎ）、嫉妬（しっと）、狡猾（こうかつ）、偽（ぎ）善（ぜん）の如（ごと）き何処（いづこ）より来（きた）るか。汝（なんぢ）はこれらと竊（ひそか）に思（し）念（ねん）の中（うち）に於（おい…