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相面百稽滑

るな ^○「是（これ）は恐入（おそれい）り申（まお）した、シテ何（ど）う云（い）ふ事（こと）を致（いた）すと米（こめ）が飯（めし）になりますな ^松「左樣（さやう）先（ま）づ一升（しょう）の米（こめ）を水（みづ）にて硏（と）ぎまして、釜（かま）へ入（い）れ水（みづ）を入（い）れ片手（かたて）を入（い）れて、水（みづ）が是程（これほど）あると一升（しやう）の飯（めし）が出來（でき）ますが ^紀州公「然（しか）らば二升（しやう）の時（とき）は ^松「左（さ）れば二升（しやう）の時（とき）はエー兩（りやう）の手（て）を入（い）れて、是（こ）れだけ水（みづ）があれば二升（しやう）の飯（めし）が出來申（できまを）す ^紀「然（しか）らば三升（じやう）になると ^松「三升じやう）の時（とき）は二本（ほん）手（て）を入（い）れた上（うへ）へ足（あし）を片（かた）ツぽふ入（い）れまする ^紀「然（しか）らば四升（しやう）の時（とき）は ^松「四升（しやう）の時（とき）は二本（ほん）の手（て）を入（い）れた上（うへ）へ兩足（りやうあし）を入（い）れまする」抔（など）と云（い）ふて居（を）られます、皆（みん）な殿樣方（とのさまがた）が御自慢話（ごじまんばなし）で持切（もちき）る、其（そ）の中（なか）に ^{赤井御門守}「松平殿（まつだひらどの）、御貴公（ごきこう）の御家來（ごけらい）の內（うち）に何（な）にか面白（おもしろ）い人物（じんぶつ）は御座（ござ）るまいか ^松「されば別（べつ）に面白（おもしろ）いと申（まを）す程（ほど）の者（もの）も御座（ござ）らんが、極極（ごくごく）粗忽（そこつ）にて物忘（ものわす）れを致（いた）す者（もの）が御座（ござ）るが ^赤井「夫（それ）は面白（おもしろ）い、然（しか）らば其者（そのもの）を拙者（せつしや）の屋敷（やしき）へ御使（おつかひ）に御遣（おつか）はしになるまいか ^松「夫（そ）れは安（やす）い事（こと）、早速（さつそく）使（つかひ）に遺（つか）はしましよう」と殿樣同志（とのさまどうし）で話（はなし）が極（きま）つたのだが、遣（や）られる人（ひと）こそ宜（い）ひ面（つら）の皮（かは）だ、殿樣（とのさま）御城（おしろ）から御歸（おかへ）りになると、直（すぐ）に御家來（ごけらい）の粗忽者（そこつもの）じぶ田次武衛門（たじぶゑもん）へ丸（まる）の內（うち）の赤井御門守樣（あかゐごもんのかみさま）へ使者（しゝや）を云（い）ひ