決裁文書に関する調査について/決裁文書の書き換えの状況/11 有益費支払いに関する三者合意書の締結について

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11.有益費支払いに関する三者合意の締結について(平成28年3月29日)

書き換え前 書き換え後
調   書
1.概要

 大阪航空局から処分依頼を受けた豊中市所在の下記2.記載財産については、学校法人森友学園(以下「学園」と言う。)と8年後の売却を前提に、小学校用地として定期借地契約を締結している。
 本財産には契約前から土壌汚染及びコンクリートガラ等の地下埋設物の存在が判明しており、学園が除去措置を行った場合、措置費用のうち国が適正と認めた額を有益費として学園に返還することを契約時に明記した上で契約を行っている。
 有益費の予算措置及び支払いは国土交通省予算により大阪航空局が行うこととし、処理に当っては、契約担当官である近畿財務局、学園、大阪航空局の三者合意書を取り交わし、大阪航空局から学園に直接支払いを行うこととしている。
 学園から、土壌汚染及び地下埋設物の除去工事及び工事費の支払いを了したとして関係資料の提出を受けたことから、支払いを行う大阪航空局に金額の妥当性等について意見を伺った結果、学園が実施した工事内容及びその支払金額も適正なものであり、国が有益費として当該金額を学園に支払うことは妥当であるとの見解を得たため、支払手続きの前提となる三者合意書を取り交わすもの。

2.対象財産
所 在 地: 豊中市野田町1501番
区分・数量: 土地・8,770.43㎡(台帳価格 763,027,410円)
沿   革: 昭和53年11月15日売買により取得
会 計 名: 自動車安全特別会計(空港整備勘定)
3.契約内容
相 手 方: 学校法人森友学園
契 約 日: 平成27年5月29日国有財産有償貸付合意書(以下「合意書」という)締結

(平成27年6月8日に合意書内容を公正証書により取り交わし定期借地契約成立)

貸付期間: 平成27年6月8日~平成37年6月7日
指定用途: 小学校敷地
指定期日: 平成28年3月31日
4.国が有益費を支払う理由

 本件定期借地契約の処理方針を策定する際に「貸付契約を締結した後に学園が本地の土壌汚染及び地下埋設物除去を行った場合の費用負担等の問題」について、当局統括法務監査官(所属法曹有資格者)に確認したところ、「貸付相手方が実施する土壌汚染除去等の措置は、貸付財産の価値を向上させることから民法第608条第2項に定める有益費(※)に該当する可能性

調   書
1.概要

 大阪航空局から処分依頼を受けた豊中市所在の下記2.記載財産については、学校法人森友学園(以下「学園」と言う。)と8年後の売却を前提に、小学校用地として定期借地契約を締結している。
 本財産には契約前から土壌汚染及びコンクリートガラ等の地下埋設物の存在が判明しており、学園が除去措置を行った場合、措置費用のうち国が適正と認めた額を有益費として学園に返還することを契約時に明記した上で契約を行っている。
 有益費の予算措置及び支払いは国土交通省予算により大阪航空局が行うこととし、処理に当っては、契約担当官である近畿財務局、学園、大阪航空局の三者合意書を取り交わし、大阪航空局から学園に直接支払いを行うこととしている。
 学園から、土壌汚染及び地下埋設物の除去工事及び工事費の支払いを了したとして関係資料の提出を受けたことから、支払いを行う大阪航空局に金額の妥当性等について意見を伺った結果、学園が実施した工事内容及びその支払金額も適正なものであり、国が有益費として当該金額を学園に支払うことは妥当であるとの見解を得たため、支払手続きの前提となる三者合意書を取り交わすもの。

2.対象財産
所 在 地: 豊中市野田町1501番
区分・数量: 土地・8,770.43㎡(台帳価格 763,027,410円)
沿   革: 昭和53年11月15日売買により取得
会 計 名: 自動車安全特別会計(空港整備勘定)
3.契約内容
相 手 方: 学校法人森友学園
契 約 日: 平成27年5月29日合意書締結

(平成27年6月8日に合意書内容を公正証書により取り交わし定期借地契約成立)

貸付期間: 平成27年6月8日~平成37年6月7日
指定用途: 小学校敷地
指定期日: 平成28年3月31日
4.国が有益費を支払う理由

 本件定期借地契約の処理方針を策定する際に「貸付契約を締結した後に学園が本地の土壌汚染及び地下埋設物除去を行った場合の費用負担等の問題」について、当局統括法務監査官(所属法曹有資格者)に確認したところ、「貸付相手方が実施する土壌汚染除去等の措置は、貸付財産の価値を向上させることから民法第608条第2項に定める有益費(※)に該当する可能性

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書き換え前 書き換え後

があるため、貸し手において費用負担を一切行わないと整理することは法律的に問題がある。」との見解を得た。
 そのため、学園に事前説明済みの土壌汚染及び地下埋設物に関する損害賠償請求や貸付料減免要求には応じないとする一方で、学園が除去等の措置を行った場合には、これを有益費と取扱い、国の基準により検証した結果、適切とされた額を支払うものとし、支払時期、方法は国が指定する旨の特約条項を定期借地契約に設けて対応するものとした。
 民法上、有益費は貸付財産の返還時に償還すればよいが、大阪航空局は将来に事務手続きを残さないように予備措置ができ次第、速やかに支払う方針とし、平成28年度当初予算により予算措置を完了している。

※民法第608条第2項
「賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第2項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許可することができる。」
民法第196条第2項
「占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

5.学園の請求内容

 学園は、土壌汚染除去及び地下埋設物除去に関する工事費用として合計131,760,000円の支払いを行い、これを請求額としている。
 土壌改良他工事費(第1期工事) 103,140,000円
 敷地南側地中障害撤去工事(第2期工事) 28,620,000円
 土壌汚染除去工事については、環境行政当局である豊中市と調整の上、必要な範囲について汚染土壌の除去を行った結果、土壌汚染対策法第11条第1項に基づく形質変更時要届出区域に指定された471.875㎡について平成27年10月26日に区域指定が解除されている。
 地下埋設物除去工事については、学園(設計業者、工事業者)の判断により校舎建設予定所は地下3m、運動場箇所は地下1mの範囲で大型・中型のガラ等を処分している。

6.有益費としての支払いについて(検証)

 本件の処理を進めるに当たっては、今般、学園が実施して支払いを終えた工事が、合意書第6条第1項で定める土壌汚染及び地下埋設物の除去工事に該当し、当該工事費が合意書第6条第2項で定める有益費として国が支払える内容であるかを検証する必要がある。
 検証作業については、実際に予算措置の上で支払手続きを行う大阪航空局に意見照会を行い、

があるため、貸し手において費用負担を一切行わないと整理することは法律的に問題がある。」との見解を得た。
 そのため、学園に事前説明済みの土壌汚染及び地下埋設物に関する損害賠償請求や貸付料減免要求には応じないとする一方で、学園が除去等の措置を行った場合には、これを有益費と取扱い、国の基準により検証した結果、適切とされた額を支払うものとし、支払時期、方法は国が指定する旨の特約条項を定期借地契約に設けて対応するものとした。

※民法第608条第2項
「賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第2項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許可することができる。」
民法第196条第2項
「占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

5.学園の請求内容

 学園は、土壌汚染除去及び地下埋設物除去に関する工事費用として合計131,760,000円の支払いを行い、これを請求額としている。
 土壌改良他工事費(第1期工事) 103,140,000円
 敷地南側地中障害撤去工事(第2期工事) 28,620,000円
 土壌汚染除去工事については、環境行政当局である豊中市と調整の上、必要な範囲について汚染土壌の除去を行った結果、土壌汚染対策法第11条第1項に基づく形質変更時要届出区域に指定された471.875㎡について平成27年10月26日に区域指定が解除されている。
 地下埋設物除去工事については、学園(設計業者、工事業者)の判断により校舎建設予定所は地下3m、運動場箇所は地下1mの範囲で大型・中型のガラ等を処分している。

6.有益費としての支払いについて(検証)

 本件の処理を進めるに当たっては、今般、学園が実施して支払いを終えた工事が、合意書第6条第1項で定める土壌及び地下埋設物の除去工事に該当し、当該工事費が合意書第6条第2号に定める有益費として国が支払える内容であるかを検証する必要がある。
 検証作業については、実際に予算措置の上で支払手続きを行う大阪航空局に意見

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書き換え前 書き換え後

 大阪航空局から、平成28年3月8日付け阪空補第418号「有益費支払いに関する意見について(回答)」(別添参照)による回答文書を受理しており、大阪航空局は、学園が支払った工事費用を国が学園に返還する有益費として妥当なものと認める旨を回答している。
 大阪航空局は、学園が工事業者■■■■に発注した工事内容は、土壌汚染も適切に除去されているなど合意書第6条第1項で定める土壌汚染及び地下埋設物の除去工事と認められる内容であり、工事金額についても、学園から提出された資料を検証した結果、適切な内容と判断したものである。
 そのため、今回の学園からの請求を有益費として国が支払うことについては、当局としても同意するものとし、別案三者合意書(下記8参照)を締結することとしたい。

7.工事完了後の新たな廃棄物発生等について

 学園は、昨年12月に今回の有益費の対象となる土壌汚染及び地下埋設物除去工事を完了させた後、婚は、別の工事業者により校舎建設工事に着手したが、同業者が柱状改良工事(地盤工事)実施の際に、深さ9mまで直径1m程度の穴を開けるため、掘削して地下の土壌を引き上げたところ家庭ゴミ等の廃棄物が引き上げられた。
 校舎建設予定箇所の地下埋設物除去工事は地下3mまでの範囲で行われたため、3m以深の廃棄物は除去されずに今回の作業で噴出したものである。
 また、前工事業者の地下埋設物除去工事は大型・中型のガラ等を撤去したものであり、細かいガラス欠等が地表に残していたため、それらを撤去すべきかの検討も併せて行われているなど本地の地下埋設物の問題については、学園と国(近畿財務局及び大阪航空局)との間で継続して協議すべき問題が残っている。
 地下埋設物に関する国と学園との協議については、整理すべき内容も多く、解決まで時間を要する見込みである。
 大阪航空局は今回支払いを予定する有益費を平成28年度当初に支払う予定で事務を進めてきており、学園が実施した工事範囲において適切に工事を完了していると認められることから、新たに噴出した廃棄物の問題とは切り離して速やかに支払いを行う意向である。

8.工事完了後の新たな廃棄物発生等について

 本件財産は、国土交通省(大阪航空局)が所する社会資本整備事業特別会計空港整備勘定所管財産であった移転補償跡地財産であり、現在は自動車安全特別会計空港整備勘定に所属している。
 本件有益費の支払いは自動車安全特別会計空港整備勘定から予算措置されて、大阪航空局が支払いを行うものであるため、手続きについては、契約の当事者である近畿財務局、学園に大阪航空局を加えた三者で有益費支払いに関する別案合意書を取り交わし、大阪航空局から学園へ直接支払う処理をすることで、定期借地契約の前から三者で申し合わせを行っていたものである。
 上記7のとおり、本地の地下埋設物の問題については継続して協議を続けるべき内容も出てきていることから、三者合意書の中で継続協議の条項を含めて作成しており、同書式については、大阪航空局も了解しているものである。

 大阪航空局から、平成28年3月8日付け阪空補第418号「有益費支払いに関する意見について(回答)」(別添参照)による回答文書を受理しており、大阪航空局は、学園が支払った工事費用を国が学園に返還する有益費として妥当なものと認める旨を回答している。
 大阪航空局は、学園が工事業者に発注した工事内容は、土壌汚染も適切に除去されているなど合意書第6条第1項で定める土壌汚染及び地下埋設物の除去工事と認められる内容であり、工事金額についても、学園から提出された資料を検証した結果、適切な内容と判断したものである。
 そのため、今回の学園からの請求を有益費として国が支払うことについては、当局としても同意するものとし、別案三者合意書(下記8参照)を締結することとしたい。

7.工事完了後の新たな廃棄物発生等について

 学園は、昨年12月に今回の有益費の対象となる土壌汚染及び地下埋設物除去工事を完了させた後、婚は、別の工事業者により校舎建設工事に着手したが、同業者が柱状改良工事(地盤工事)実施の際に、深さ9mまで直径1m程度の穴を開けるため、掘削して地下の土壌を引き上げたところ家庭ゴミ等の廃棄物が引き上げられた。
 地下埋設物に関する国と学園との協議については、整理すべき内容も多く、解決まで時間を要する見込みである。
 大阪航空局は今回支払いを予定する有益費を平成28年度当初に支払う予定で事務を進めてきており、学園が実施した工事範囲において工事を完了していると認められることから、新たに噴出した廃棄物の問題とは切り離して速やかに支払いを行う意向である。

8.工事完了後の新たな廃棄物発生等について

 本件財産は、国土交通省(大阪航空局)が所する社会資本整備事業特別会計空港整備勘定所管財産であった移転補償跡地財産であり、現在は自動車安全特別会計空港整備勘定に所属している。
 本件有益費の支払いは自動車安全特別会計空港整備勘定から予算措置されて、大阪航空局が支払いを行うものであるため、手続きについては、契約の当事者である近畿財務局、学園に大阪航空局を加えた三者で有益費支払いに関する別案合意書を取り交わし、大阪航空局から学園へ直接支払う処理をすることで、定期借地契約の前から三者で申し合わせを行っていたものである。
 上記7のとおり、本地の地下埋設物の問題については継続して協議を続けるべき内容も出てきていることから、三者合意書の中で継続協議の条項を含めて作成しており、同書式については、大阪航空局も了解しているものである。

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書き換え前 書き換え後

(参考)大阪航空局の支払い予算科目
(会 計) 自動車安全特別会計
(部局等) 空港整備勘定
( 項 ) 空港等維持運営費
( 目 ) 賠償償還及払戻金

以 上

(参考)大阪航空局の支払い予算科目
(会 計) 自動車安全特別会計
(部局等) 空港整備勘定
( 項 ) 空港等維持運営費
( 目 ) 賠償償還及払戻金

以 上
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注釈[編集]

  • 便宜上、ページ番号を振った。
  • 下線部が書き換えられた箇所である。