株式会社企業再生支援機構法

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株式会社企業再生支援機構法(かぶしきがいしゃきぎょうさいせいしえんきこうほう)

  • 平成二十一年六月二十六日法律第六十三号


第一章 総則[編集]

(機構の目的)

第一条
株式会社企業再生支援機構は、雇用の安定等に配慮しつつ、地域における総合的な経済力の向上を通じて地域経済の再建を図り、併せてこれにより地域の信用秩序の基盤強化にも資するようにするため、金融機関、地方公共団体等と連携しつつ、有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている中堅事業者、中小企業者その他の事業者に対し、当該事業者に対して金融機関等が有する債権の買取りその他の業務を通じてその事業の再生を支援することを目的とする株式会社とする。

(定義)

第二条
この法律において「金融機関等」とは、次に掲げる者をいう。
一 預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第一項に規定する金融機関
二 農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)第二条第一項に規定する農水産業協同組合
三 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第二項に規定する保険会社
四 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者
五 政策金融機関、預金保険機構、信用保証協会その他これらに準ずる主務省令で定める特殊法人等(法律により直接に設立された法人若しくは特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人のうち総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるもの、特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人又は独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)
六 前各号に掲げる者のほか、金銭の貸付けその他金融に関する業務を行う事業者で主務省令で定めるもの

(数)

第三条
株式会社企業再生支援機構(以下「機構」という。)は、一を限り、設立されるものとする。

(株式)

第四条
  1. 預金保険機構は、常時、機構が発行している株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部について議決権を行使することができないものと定められた種類の株式を除く。以下この項において同じ。)の総数の二分の一以上に当たる数の株式を保有していなければならない。
  2. 機構は、募集株式(会社法(平成十七年法律第八十六号)第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。第七十三条第一号において同じ。)を引き受ける者の募集をしようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。

(商号)

第五条
  1. 機構は、その商号中に株式会社企業再生支援機構という文字を用いなければならない。
  2. 機構でない者は、その名称中に企業再生支援機構という文字を用いてはならない。

第二章 設立[編集]

(機構の設立の方法)

第六条
機構は、会社法第二十五条第一項第一号に掲げる方法により設立しなければならない。

(定款の記載又は記録事項)

第七条
  1. 機構の定款には、会社法第二十七条各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
    一 会社法第百七条第一項第一号に掲げる事項
    二 取締役会及び監査役を置く旨
    三 第二十二条第一項各号に掲げる業務の完了により解散する旨
  2. 機構の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録してはならない。
    一 会社法第二条第十二号に規定する委員会を置く旨
    二 会社法第百三十九条第一項ただし書に規定する別段の定め

(設立の認可等)

第八条
機構の発起人は、定款を作成し、かつ、機構の設立に際して発行する株式の全部を引き受けた後、速やかに、定款及び事業計画書を主務大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。

第九条

  1. 主務大臣は、前条の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
    一 設立の手続及び定款の内容が法令の規定に適合するものであること。
    二 定款に虚偽の記載若しくは記録又は虚偽の署名若しくは記名押印(会社法第二十六条第二項の規定による署名又は記名押印に代わる措置を含む。)がないこと。
    三 業務の運営が健全に行われ、地域経済の再建に寄与し、併せて地域の信用秩序の基盤強化にも資することが確実であると認められること。
  2. 主務大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項各号に掲げる基準に適合していると認めるときは、設立の認可をしなければならない。

(設立時取締役及び設立時監査役の選任及び解任)

第十条
会社法第三十八条第一項に規定する設立時取締役及び同条第二項第二号に規定する設立時監査役の選任及び解任は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

(会社法の規定の読替え)

第十一条
会社法第三十条第二項、第三十三条第一項、第三十四条第一項及び第九百六十三条第一項の規定の適用については、同法第三十条第二項中「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前」とあるのは「株式会社企業再生支援機構法(平成二十一年法律第六十三号)第九条第二項の認可の後株式会社企業再生支援機構の成立前は、定款」と、同法第三十三条第一項中「第三十条第一項の公証人の認証」とあるのは「株式会社企業再生支援機構法第九条第二項の認可」と、同法第三十四条第一項中「設立時発行株式の引受け」とあるのは「株式会社企業再生支援機構法第九条第二項の認可の」と、同法第九百六十三条第一項中「第三十四条第一項」とあるのは「第三十四条第一項(株式会社企業再生支援機構法第十一条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」とする。

(会社法の規定の適用除外)

第十二条
  1. 会社法第三十条第一項の規定は、機構の設立については、適用しない。
  2. 会社法第三十三条の規定は、同法第二十八条第四号に掲げる事項を機構の定款に記載し、又は記録した場合における当該事項については、適用しない。

第三章 管理[編集]

第一節 取締役等[編集]

(取締役及び監査役の選任等の決議)

第十三条
機構の取締役及び監査役の選任及び解任の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

(取締役等の秘密保持義務)

第十四条
機構の取締役、会計参与、監査役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

第二節 企業再生支援委員会[編集]

(設置)

第十五条
機構に、企業再生支援委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(権限)

第十六条
  1. 委員会は、次に掲げる決定を行う。
    一 第二十五条第四項前段の再生支援をするかどうかの決定(同項後段の規定により支援決定と併せて行う選定及び決定を含む。)
    二 第二十八条第一項の債権買取り等をするかどうかの決定
    三 第三十条第一項の買取申込み等期間の延長の決定
    四 第三十一条第一項の出資決定
    五 第三十三条第一項の対象事業者に係る債権又は株式若しくは持分の譲渡その他の処分の決定
    六 第三十五条第一項の確認の決定
    七 前各号に掲げるもののほか、会社法第三百六十二条第四項第一号及び第二号に掲げる事項のうち取締役会の決議により委任を受けた事項の決定
  2. 委員会は、前項第一号から第六号までに掲げる決定について、取締役会から委任を受けたものとみなす。

(組織)

第十七条
  1. 委員会は、取締役である委員三人以上七人以内で組織する。
  2. 委員の過半数は、社外取締役でなければならない。
  3. 委員の中には、代表取締役が一人以上含まれなければならない。
  4. 委員は、取締役会の決議により定める。
  5. 委員の選定及び解職の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
  6. 委員は、それぞれ独立してその職務を執行する。
  7. 委員会に委員長を置き、委員の互選によってこれを定める。
  8. 委員長は、委員会の会務を総理する。
  9. 委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代理する者を定めておかなければならない。

(運営)

第十八条
  1. 委員会は、委員長(委員長に事故があるときは、前条第九項に規定する委員長の職務を代理する者。以下この条において同じ。)が招集する。
  2. 委員会は、委員長が出席し、かつ、現に在任する委員の総数の三分の二以上の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
  3. 委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決する。可否同数のときは、委員長が決する。
  4. 前項の規定による決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。
  5. 前項の規定により議決に加わることができない委員の数は、第二項に規定する現に在任する委員の数に算入しない。
  6. 監査役は、委員会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
  7. 委員会の委員であって委員会によって選定された者は、第三項の規定による決議後、遅滞なく、当該決議の内容を取締役会に報告しなければならない。
  8. 委員会の議事については、主務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
  9. 前項の議事録が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして主務省令で定めるものをいう。次条第二項第二号において同じ。)をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、主務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
  10. 前各項及び次条に定めるもののほか、議事の手続その他委員会の運営に関し必要な事項は、委員会が定める。

(議事録)

第十九条
  1. 機構は、委員会の日から十年間、前条第八項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
  2. 株主は、その権利を行使するために必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。
    一 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
    二 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
  3. 債権者は、委員の責任を追及するために必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。
  4. 裁判所は、第二項各号に掲げる請求又は前項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、機構、その子会社又は預金保険機構に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第二項又は前項の許可をすることができない。
  5. 会社法第八百六十八条第一項、第八百六十九条第八百七十条(第一号に係る部分に限る。)、第八百七十一条本文、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)、第八百七十三条本文、第八百七十五条及び第八百七十六条の規定は、第二項及び第三項の許可について準用する。
  6. 取締役は、第一項の議事録について第二項各号に掲げる請求をすることができる。

(登記)

第二十条
  1. 機構は、委員を選定したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、委員の氏名を登記しなければならない。委員の氏名に変更を生じたときも、同様とする。
  2. 前項の規定による委員の選定の登記の申請書には、委員の選定及びその選定された委員が就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
  3. 委員の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。
  4. 機構は、委員に選定された取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨を登記しなければならない。

第三節 定款の変更[編集]

第二十一条

機構の定款の変更の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

第四章 業務[編集]

第一節 業務の範囲等[編集]

(業務の範囲)

第二十二条
  1. 機構は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。
    一 対象事業者(第二十六条第一項に規定する対象事業者をいう。以下この項及び第三項並びに第二十五条第四項において同じ。)に対して金融機関等が有する債権の買取り又は対象事業者に対して金融機関等が有する貸付債権の信託の引受け(以下「債権買取り等」という。)
    二 対象事業者に対する次に掲げる業務
    イ 資金の貸付け(社債の引受けを含む。)
    ロ 金融機関等からの資金の借入れに係る債務の保証
    ハ 出資(対象事業者の株式の取得を含む。第四号及び第三十一条第一項において同じ。)
    ニ 事業の再生に関する専門家の派遣
    ホ 事業活動に関する必要な助言
    三 債権買取り等に係る債権の管理及び譲渡その他の処分(債権者としての権利の行使に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を含む。)
    四 出資に係る株式又は持分の譲渡その他の処分
    五 前各号に掲げる業務に関連して必要な交渉及び調査として行う法律事務
    六 前各号に掲げる業務に附帯する業務
    七 前各号に掲げるもののほか、機構の目的を達成するために必要な業務
  2. 機構は、前項第七号に掲げる業務を営もうとするときは、あらかじめ、主務大臣の認可を受けなければならない。
  3. 機構は、第一項各号に掲げる業務のほか、当該業務の完了までの間、その業務の遂行に支障のない範囲内で、事業者(対象事業者を除く。)の依頼に応じて、その事業活動に関し必要な助言を行うことができる。

(銀行法等の規定の適用)

第二十三条
  1. 機構が前条第一項各号に掲げる業務を行う場合には、機構を銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行とみなして、同法第十三条の二及び第二十三条の規定を適用する。この場合において、同法第十三条の二中「内閣府令」とあるのは「内閣府令・総務省令・財務省令・経済産業省令」と、「内閣総理大臣」とあるのは「内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣及び経済産業大臣」とする。
  2. 機構が前条第一項第一号に掲げる貸付債権の信託の引受けの業務を行う場合には、機構を金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関とみなして、同法第二条第一項において準用する信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二十四条第一項、第二十八条並びに第二十九条第一項及び第二項の規定並びに金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第十七条(第一号及び第二号に係る部分に限る。)及び第二十二条(第三号に係る部分に限る。)の規定を適用する。
  3. 機構が貸金業法第二条第二項に規定する貸金業者から債権買取り等を行う場合には、同法第二十四条の規定は、適用しない。

第二節 支援基準[編集]

第二十四条

  1. 主務大臣は、機構が、第二十二条第一項各号に掲げる業務の実施による事業の再生の支援(以下「再生支援」という。)をするかどうかを決定するに当たって従うべき基準及び債権買取り等をするかどうかを決定するに当たって従うべき基準(以下「支援基準」と総称する。)を定めるものとする。
  2. 主務大臣は、前項の規定により支援基準を定めようとするときは、あらかじめ、再生支援の対象となる事業者の事業を所管する大臣(以下「事業所管大臣」という。)の意見を聴かなければならない。
  3. 主務大臣が第一項の規定により支援基準を定め、及び事業所管大臣が前項の規定により意見を述べるに当たっては、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(平成十一年法律第百三十一号)第三条第一項の基本指針及び同法第四条第一項の事業分野別指針との整合性に配慮しなければならない。
  4. 主務大臣は、第一項の規定により支援基準を定めたときは、これを公表するものとする。

第三節 業務の実施[編集]

(支援決定)

第二十五条
  1. 過大な債務を負っている中堅事業者、中小企業者その他の事業者であって、債権者その他の者と協力してその事業の再生を図ろうとするもの(次に掲げる法人を除く。)は、機構に対し、再生支援の申込みをすることができる。
    一 地方住宅供給公社、地方道路公社及び土地開発公社
    二 前号に掲げるもののほか、国又は地方公共団体が資本金、基本金その他これらに準ずるものの四分の一以上を出資している法人(国又は地方公共団体がその経営を実質的に支配することができないものとして政令で定める法人を除く。)
    三 前二号に掲げるもののほか、その役員に占める公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(平成十二年法律第五十号)第三条第二項に規定する派遣職員又は同法第十条第三項に規定する退職派遣者の割合が政令で定める割合を超えている法人その他国又は地方公共団体がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして政令で定める法人
  2. 前項の申込みは、当該申込みをする事業者の事業の再生の計画(以下「事業再生計画」という。)を添付して行わなければならない。
  3. 第一項の申込みをする事業者が認定支援機関(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法第四十一条第二項に規定する認定機関をいう。以下同じ。)から第六十二条第二項の規定による書面の交付を受けた中小企業者であるときは、当該書面を添付して申込みをすることができる。
  4. 機構は、第一項の申込みがあったときは、遅滞なく、支援基準に従って、再生支援をするかどうかを決定するとともに、その結果を当該申込みをした事業者(前項に規定する中小企業者が申込みをした場合にあっては、当該申込みをした中小企業者及び当該書面を交付した認定支援機関)に通知しなければならない。この場合において、機構は、再生支援をする旨の決定(以下「支援決定」という。)を行ったときは、併せて、次条第一項に規定する関係金融機関等の選定、対象事業者の事業の再生のために当該関係金融機関等が同項各号に掲げる申込み又は同意をすることが必要と認められる債権の額(以下「必要債権額」という。)及び同項に規定する買取申込み等期間の決定並びに第二十七条第一項に規定する回収等停止要請をすべきかどうかの決定を行わなければならない。
  5. 機構は、再生支援をするかどうかを決定するに当たっては、第一項の申込みをした事業者における事業再生計画についての労働者との協議の状況等に配慮しなければならない。
  6. 機構は、再生支援をするかどうかを決定するに当たっては、第一項の申込みをした事業者の企業規模が小さいことのみを理由として不利益な取扱いをしてはならない。
  7. 機構は、再生支援をするかどうかを決定しようとするときは、あらかじめ、主務大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
  8. 主務大臣は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、その内容を事業所管大臣及び第六十一条に規定する場合における同条の各省各庁の長(次項において「事業所管大臣等」という。)に通知するものとする。
  9. 事業所管大臣等は、前項の規定による通知を受けた場合において、過剰供給構造(供給能力が需要に照らし著しく過剰であり、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれる事業分野の状態をいう。)その他の当該事業者の属する事業分野の実態を考慮して必要があると認めるときは、第七項の期間内に、機構に対して意見を述べることができる。
  10. 支援決定は、機構の成立の日から二年以内に行わなければならない。ただし、機構があらかじめ主務大臣の認可を受けた事業者に対しては、当該成立の日から二年六月以内に行うことができる。

(買取申込み等の求め)

第二十六条
  1. 機構は、支援決定を行ったときは、直ちに、その対象となった事業者(以下「対象事業者」という。)の債権者である金融機関等のうち事業再生計画に基づく対象事業者の事業の再生のために協力を求める必要があると認められるもの(以下「関係金融機関等」という。)に対し、支援決定の日から起算して三月以内で機構が定める期間(以下「買取申込み等期間」という。)内に、当該関係金融機関等が対象事業者に対して有するすべての債権につき、次に掲げる申込み又は同意をする旨の回答(以下「買取申込み等」という。)をするように求めなければならない。この場合において、関係金融機関等に対する求めは、支援決定を行った旨の通知及び事業再生計画を添付して行わなければならない。
    一 債権の買取りの申込み
    二 事業再生計画に従って債権の管理又は処分をすることの同意(対象事業者に対する貸付債権を信託財産とし、当該同意に係る事業再生計画に従ってその管理又は処分を機構に行わせるための信託の申込みを含む。)
  2. 前項第一号の債権の買取りの申込みは、価格を示して行うものとする。

(回収等停止要請)

第二十七条
  1. 機構は、関係金融機関等が対象事業者に対し債権の回収その他主務省令で定める債権者としての権利の行使(以下「回収等」という。)をすることにより、買取申込み等期間が満了する前に対象事業者の事業の再生が困難となるおそれがあると認められるときは、すべての関係金融機関等に対し、前条第一項前段の規定による求めに併せて、買取申込み等期間が満了するまでの間、回収等をしないことの要請(以下「回収等停止要請」という。)をしなければならない。
  2. 機構は、前項の場合において、買取申込み等期間が満了する前に、次条第一項に規定する買取決定を行い、又は第三十二条第一項第三号の規定により支援決定を撤回したときは、直ちに、回収等停止要請を撤回し、その旨をすべての関係金融機関等に通知しなければならない。

(買取決定)

第二十八条
  1. 機構は、買取申込み等期間が満了し、又は買取申込み等期間が満了する前にすべての関係金融機関等から買取申込み等があったときは、速やかに、それぞれの買取申込み等(第二十六条第一項第一号に掲げる債権の買取りの申込み又は同項第二号に規定する信託の申込みをする旨のものに限る。第三項において同じ。)に対し、支援基準に従って、債権買取り等をするかどうかを決定しなければならない。この場合において、債権買取り等をする旨の決定(以下「買取決定」という。)をするときは、一括して行わなければならない。
  2. 前項の場合において、機構は、買取申込み等に係る債権のうち、買取りをすることができると見込まれるものの額及び第二十六条第一項第二号に掲げる同意に係るものの額の合計額が必要債権額に満たないときは、買取決定を行ってはならない。
  3. 第一項の場合において、関係金融機関等が回収等停止要請に反して回収等をしたときは、機構は、当該関係金融機関等からの買取申込み等に対し、買取決定を行ってはならない。
  4. 機構は、買取決定を行おうとするときは、あらかじめ、主務大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。

(買取価格)

第二十九条
機構が債権の買取りを行う場合の価格は、支援決定に係る事業再生計画を勘案した適正な時価を上回ってはならない。

(買取申込み等期間の延長)

第三十条
  1. 機構は、買取申込み等に係る債権のうち、買取りをすることができると見込まれるものの額及び第二十六条第一項第二号に掲げる同意に係るものの額の合計額が、買取申込み等期間が満了しても必要債権額に満たないことになると見込まれるときは、当該買取申込み等期間の延長を決定することができる。この場合において、当該延長をする買取申込み等期間の末日は、支援決定の日から起算して三月以内でなければならない。
  2. 機構は、前項の規定により買取申込み等期間の延長を決定したときは、直ちに、その旨をすべての関係金融機関等に通知するとともに、まだ買取申込み等をしていない関係金融機関等に対し、当該延長をした買取申込み等期間内に買取申込み等をするように求めなければならない。
  3. 第二十六条第二項、第二十七条から前条まで及び第一項の規定は、同項の規定により買取申込み等期間の延長を決定した場合について準用する。この場合において、これらの規定中「買取申込み等期間」とあるのは「延長をした買取申込み等期間」と、第二十七条第一項中「前条第一項前段」とあるのは「第三十条第二項」と読み替えるものとする。

(出資決定)

第三十一条
  1. 機構は、買取決定又は第二十六条第一項第二号に掲げる同意をする旨の買取申込み等に係る債権額のみで必要債権額を満たした場合における債権買取り等をしない旨の決定(以下「買取決定等」という。)を行った後でなければ、対象事業者に出資をする決定(次項及び第三十四条第一項第三号において「出資決定」という。)をしてはならない。
  2. 機構は、出資決定を行おうとするときは、あらかじめ、主務大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。

(支援決定の撤回)

第三十二条
  1. 機構は、次に掲げる場合には、速やかに、支援決定を撤回しなければならない。
    一 買取申込み等期間(第三十条第一項の規定により延長をした買取申込み等期間を含む。第三号及び第四号において同じ。)が満了しても、買取申込み等がなかったとき。
    二 買取決定等を行わなかったとき。
    三 買取申込み等期間内に、関係金融機関等が回収等停止要請に反して回収等を行ったことにより、他の関係金融機関等による買取申込み等に係る債権額では必要債権額に満たないことが明らかになったとき。
    四 買取申込み等期間内に、対象事業者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令又は外国倒産処理手続の承認の決定を受けたとき。
  2. 機構は、前項の規定により支援決定を撤回したときは、直ちに、対象事業者(当該対象事業者が第二十五条第三項に規定する中小企業者である場合にあっては、当該対象事業者及び当該対象事業者に第六十二条第二項の規定による書面を交付した認定支援機関。以下この項において同じ。)及び関係金融機関等(前項第一号に掲げる場合にあっては対象事業者、同項第二号に掲げる場合にあっては対象事業者及び買取申込み等をした関係金融機関等)に対し、その旨を通知しなければならない。

(債権等の譲渡その他の処分の決定等)

第三十三条
  1. 機構は、対象事業者に係る債権又は株式若しくは持分の譲渡その他の処分の決定を行おうとするときは、あらかじめ、主務大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
  2. 第二十五条第八項及び第九項の規定は、経済情勢の変化等に伴い、機構が支援決定に係る事業再生計画に予定していない債務の免除を行う必要が新たに生じた場合における当該債務の免除に係る前項の決定に関し、同項の規定により主務大臣が通知を受けた場合について準用する。この場合において、同条第九項中「第七項」とあるのは、「第三十三条第一項」と読み替えるものとする。
  3. 機構は、経済情勢、対象事業者の事業の状況等を考慮しつつ、支援決定の日から三年(第二十五条第十項ただし書の認可を受けて支援決定を行った場合は、機構の成立の日から五年。以下この条において同じ。)以内に、当該支援決定に係るすべての再生支援を完了するように努めなければならない。
  4. 機構が貸付債権の信託の引受けを行う場合における信託契約の終了の日は、支援決定の日から三年以内でなければならない。
  5. 機構が債務の保証を行う場合におけるその対象となる貸付金の償還期限は、支援決定の日から三年以内でなければならない。

(決定の公表)

第三十四条
  1. 機構は、次に掲げるときは、速やかに、その旨、対象事業者の氏名又は名称その他機構が行ったことの概要を示すために必要なものとして主務省令で定める事項を公表しなければならない。
    一 支援決定又はその撤回を行ったとき。
    二 買取決定等を行ったとき。
    三 出資決定を行ったとき。
    四 対象事業者に係る債権又は株式若しくは持分の譲渡その他の処分の決定を行ったとき。
    五 一の支援決定に係るすべての再生支援を完了したとき。
  2. 機構は、再生支援の申込みをした事業者があらかじめ申し出た場合には、買取決定等を公表するまでの間に限り、支援決定(支援決定の撤回を含む。)を公表しないことができる。

(資金の貸付けに関する機構の確認)

第三十五条
  1. 対象事業者に係る支援決定の時から買取決定等の時までの間に当該対象事業者に資金の貸付けを行おうとする金融機関等は、機構に対し、当該貸付けが次の各号のいずれにも適合することの確認を求めることができる。
    一 当該貸付けが、対象事業者の事業の継続に欠くことができないものとして主務大臣が定める基準に該当するものであること。
    二 対象事業者の事業再生計画に、当該貸付けに係る債権の弁済を機構及び第二十六条第一項第二号に掲げる同意をした関係金融機関等(以下「機構等」という。)が有する他の債権の弁済よりも優先的に取り扱う旨が記載されていること(当該事業再生計画に、機構等が対象事業者の債務を免除する旨が記載されている場合に限る。)。
  2. 機構は、前項の確認を行ったときは、直ちに、その旨を、当該金融機関等に通知するとともに、公告するものとする。
  3. 前項の規定による公告は、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法又はインターネットを利用する主務省令で定める方法でしなければならない。
  4. 機構は、第一項の確認を行った場合において、当該対象事業者に係る買取決定等を行ったときは、直ちに、その旨を当該確認を受けた金融機関等に通知するものとし、当該金融機関等がその通知を受けた時までに当該確認に係る貸付けを行っていないときは、当該確認は、その効力を失う。

(再生手続の特例)

第三十六条
  1. 裁判所(再生事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。次項において同じ。)は、機構が対象事業者に係る買取決定等の時から当該対象事業者に係るすべての債権並びに株式及び持分についての譲渡その他の処分の決定の時までの間に当該対象事業者について再生手続開始の申立てが行われた場合(当該申立ての時までに、機構等が事業再生計画に従って当該対象事業者の債務を免除している場合に限る。)において、前条第一項の規定により機構が確認を行った貸付けに係る再生債権と他の再生債権との間に権利の変更の内容に差を設ける再生計画案が提出され、又は可決されたときは、次に掲げる事項を考慮した上で、当該再生計画案が民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百五十五条第一項ただし書に規定する差を設けても衡平を害しない場合に該当するかどうかを判断しなければならない。
    一 当該貸付けが、対象事業者の事業の継続に欠くことができないものであることが確認されていること。
    二 機構等が事業再生計画に従って対象事業者の債務を免除していること及びその額
  2. 裁判所は、前項に規定する差が設けられた再生計画案が提出され、又は可決された場合には、機構に対し、意見の陳述を求めることができる。

(更生手続についての準用)

第三十七条
前条の規定は、機構が対象事業者に係る買取決定等の時から当該対象事業者に係るすべての債権並びに株式及び持分についての譲渡その他の処分の決定の時までの間に当該対象事業者について更生手続開始の申立てが行われた場合(当該申立ての時までに、機構等が事業再生計画に従って当該対象事業者の債務を免除している場合に限る。)について準用する。この場合において、同条第一項中「再生事件」とあるのは「更生事件(会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二条第三項に規定する更生事件をいう。)」と、「再生債権と他の再生債権」とあるのは「更生債権(同法第二条第八項に規定する更生債権をいう。以下同じ。)とこれと同一の種類の他の更生債権」と、同条中「再生計画案」とあるのは「更生計画案」と、同条第一項中「民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百五十五条第一項ただし書」とあるのは「同法第百六十八条第一項ただし書」と読み替えるものとする。

(資料の交付又は閲覧)

第三十八条
  1. 機構は、その業務を行うために必要があるときは、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に定める者の業務又は財産の状況に関する資料の提出を求めることができる。
    一 再生支援の申込みをした事業者又は当該事業者に対して債権を有する金融機関等 当該事業者
    二 対象事業者又は関係金融機関等 対象事業者
  2. 前項の規定により資料の提出を求められた者は、遅滞なく、これを機構に提出しなければならない。
  3. 国、地方公共団体又は日本銀行は、機構がその業務を行うために特に必要があると認めて要請をしたときは、機構に対し、必要な資料を交付し、又はこれを閲覧させることができる。

第五章 財務及び会計[編集]

(予算の認可)

第三十九条
機構は、毎事業年度の開始前に、当該事業年度の予算を主務大臣に提出して、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(剰余金の配当の特例)

第四十条
機構は、各事業年度において、企業一般の配当の動向その他の経済事情及び機構の行う業務の公共性を考慮して政令で定める割合を超えて、機構が発行している株式に対し、剰余金の配当を行わないものとする。

(剰余金の配当等の決議)

第四十一条
機構の剰余金の配当その他の剰余金の処分の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

(財務諸表)

第四十二条
機構は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を主務大臣に提出して、その承認を受けなければならない。

(借入金及び社債)

第四十三条
  1. 機構は、日本銀行、金融機関その他の者から資金の借入れをし、又は社債の発行をしようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。この場合において、日本銀行からの資金の借入れは、日本銀行以外の者からの資金の借入れ又は機構の社債の発行を行う場合における一時的な資金繰りのために必要があると認めるときに限り、行うものとする。
  2. 機構の借入金の現在額及び社債の元本に係る債務の現在額の合計額は、政令で定める金額を超えることとなってはならない。
  3. 日本銀行は、日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第四十三条第一項本文の規定にかかわらず、機構に対し、第一項の資金の貸付けをすることができる。
  4. 農林中央金庫は、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第五十四条第三項の規定にかかわらず、機構に対し、同項の規定による農林水産大臣及び内閣総理大臣の認可を受けないで、第一項の資金の貸付けをすることができる。

(政府保証)

第四十四条
政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の前条第一項の借入れ又は社債に係る債務について、保証契約をすることができる。

第六章 監督[編集]

(監督)

第四十五条
  1. 機構は、主務大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
  2. 主務大臣は、この法律を施行するために必要があると認めるときは、機構に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(報告及び検査)

第四十六条
  1. 主務大臣は、この法律を施行するために必要があると認めるときは、機構からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、機構の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
  2. 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
  3. 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

第七章 解散等[編集]

(機構の解散)

第四十七条
機構は、第二十二条第一項各号に掲げる業務の完了により解散する。

(合併、分割又は解散の決議)

第四十八条
機構の合併、分割又は解散の決議は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

(残余財産の分配の特例)

第四十九条
  1. 機構が解散した場合において、株主に分配することができる残余財産の額は、株式の払込金額の総額に機構の行う業務の公共性を考慮して政令で定める割合を乗じて得た金額を限度とする。
  2. 残余財産の額が前項の規定により株主に分配することができる金額を超えるときは、その超える部分の額に相当する残余財産は、会社法第五百四条の規定にかかわらず、国庫に帰属する。

(政府の補助)

第五十条
政府は、機構が解散する場合において、その財産をもって債務を完済することができないときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に対し、当該債務を完済するために要する費用の全部又は一部に相当する金額を補助することができる。

第八章 預金保険機構の業務の特例等[編集]

(預金保険機構の業務の特例)

第五十一条
  1. 預金保険機構は、預金保険法第三十四条各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を行う。
    一 機構の設立の発起人となり、及び機構に対し出資を行うこと。
    二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
  2. 預金保険機構は、前項第一号の規定による出資を行おうとするときは、運営委員会(預金保険法第十四条に規定する運営委員会をいう。第五十五条及び第五十六条第二項において同じ。)の議決を経て出資する金額を定め、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。

(区分経理)

第五十二条
預金保険機構は、前条第一項各号に掲げる業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定(第五十六条において「企業再生支援勘定」という。)を設けて整理しなければならない。

(政府の出資)

第五十三条
  1. 政府は、預金保険法第五条の規定により預金保険機構に出資しているもののほか、預金保険機構が第五十一条第一項各号に掲げる業務を行うために必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、預金保険機構に出資することができる。
  2. 預金保険機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

(拠出金)

第五十四条
預金保険機構は、第五十一条第一項各号に掲げる業務を行うために必要な資金の財源に充てるため、金融機関その他の者から拠出金の拠出を受けることができる。

(配当に相当する額の分配)

第五十五条
預金保険機構は、機構から剰余金の配当を受けたときは、運営委員会の議決を経て、当該配当に相当する額を、政府及び前条の規定により拠出金を拠出した者に対し、第五十三条第一項の規定による出資額及び拠出金の額に応じて分配するものとする。

(企業再生支援勘定の廃止)

第五十六条
  1. 預金保険機構は、機構の解散の日以後の政令で定める日において、企業再生支援勘定を廃止するものとする。
  2. 預金保険機構は、前項の規定により企業再生支援勘定を廃止した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、運営委員会の議決を経て、当該残余財産の額を、政府及び第五十四条の規定により拠出金を拠出した者に対し、第五十三条第一項の規定による出資額及び拠出金の額に応じて分配するものとする。
  3. 預金保険機構は、第一項の規定により企業再生支援勘定を廃止したときは、預金保険機構の資本金のうち政府の出資に係るものにつき、第五十三条第一項の規定による出資額により資本金を減少するものとする。

(預金保険法の特例)

第五十七条
第五十一条第一項の規定により預金保険機構が同項各号に掲げる業務を行う場合における預金保険法の適用については、同法第十五条第五号中「事項」とあるのは「事項(株式会社企業再生支援機構法(平成二十一年法律第六十三号。以下「機構法」という。)の規定による機構の業務に係るものを除く。)」と、同法第三十七条第一項中「業務を」とあるのは「業務(機構法第五十一条第一項各号に掲げる業務を除く。)を」と、同法第四十四条第四十五条第二項、第四十六条第一項及び第百五十一条第一項第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は機構法」と、同法第五十一条第二項中「業務(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」とあるのは「業務(第四十条の二第二号に掲げる業務及び機構法第五十一条第一項各号に掲げる業務を除く。)」と、同法第百四十七条第一号中「第四十六条第一項」とあるのは「第四十六条第一項(機構法第五十七条の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)」と、同法第百五十二条第三号中「第三十四条に規定する業務」とあるのは「第三十四条に規定する業務及び機構法第五十一条第一項各号に掲げる業務」と、同条第七号中「第四十五条第二項」とあるのは「第四十五条第二項(機構法第五十七条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」とする。

第九章 雑則[編集]

(主務大臣)

第五十八条
  1. この法律における主務大臣は、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣及び経済産業大臣とする。ただし、第二十四条第二十五条第七項、第八項及び第十項、第二十八条第四項、第三十一条第二項、第三十三条第一項及び第二項、第四十五条並びに第四十六条第一項に規定する主務大臣は、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣及び経済産業大臣とする。
  2. 第四十六条第一項に規定する主務大臣の権限は、前項ただし書の規定にかかわらず、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣又は経済産業大臣がそれぞれ単独に行使することを妨げない。
  3. この法律における主務省令は、内閣府令・総務省令・財務省令・経済産業省令とする。

(権限の委任)

第五十九条
内閣総理大臣は、前章の規定による権限を金融庁長官に委任する。

(課税の特例)

第六十条
機構が債権買取り等の申込みを受け、当該申込みに基づく債権の買取りにより不動産に関する権利の取得をした場合には、当該不動産に関する権利の移転の登記については、財務省令で定めるところにより当該取得後一年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。

(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の特例)

第六十一条
事業再生計画に補助金等交付財産(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第二十二条に規定する財産をいう。)を当該補助金等交付財産に充てられた補助金等(同法第二条第一項に規定する補助金等をいう。第六十六条第一項において同じ。)の交付の目的以外の目的に使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供する旨が記載されている場合において、当該補助金等を所掌する各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。以下この条及び第六十六条第二項において同じ。)が第二十五条第九項の規定に基づき同条第七項の期間内に意見を述べなかったときは、当該期間が経過した日に、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十二条に規定する各省各庁の長の承認があったものとみなす。

(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法との関係)

第六十二条
  1. 機構は、再生支援をするに当たっては、必要に応じ、対象事業者に対し、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法第五条第一項の事業再構築計画の認定、同法第七条第一項の経営資源再活用計画の認定、同法第九条第一項の経営資源融合計画の認定、同法第十一条第一項の資源生産性革新計画の認定又は同法第三十九条の二第一項の中小企業承継事業再生計画の認定の申請を促すこと等により、同法により講じられる施策と相まって、効果的にこれを行うように努めなければならない。
  2. 認定支援機関は、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法第四十一条第二項第一号の規定により中小企業者に対し指導又は助言を行うに際し、機構による再生支援を受けることが当該中小企業者の事業の再生を行うために有効であると認めるときは、その旨を明らかにした書面を当該中小企業者に交付して、機構に対して再生支援の申込みをすることを促すことができる。

(金融庁又は日本銀行に対する協力要請)

第六十三条
機構は、債権の買取りに際しての適正な時価の算定のためその他必要があると認めるときは、金融庁又は日本銀行に対し、技術的助言その他の協力を求めることができる。

(預金保険機構等との協力等)

第六十四条
機構は、その業務の実施に当たっては、預金保険機構、特定協定銀行(金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百三十二号)第五十三条第一項第二号に規定する特定協定銀行をいう。)、特定認証紛争解決事業者(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法第二条第二十五項に規定する特定認証紛争解決事業者をいう。)及び認定支援機関との協力体制の充実を図りつつ、適正かつ効率的に行うように努めなければならない。

(政策金融機関等の協力等)

第六十五条
  1. 第二条第五号に掲げる法人(次項において「政策金融機関等」という。)は、機構が第二十六条第一項の規定により買取申込み等をするように求めた場合において、当該買取申込み等に伴う負担が合理的かつ妥当なものであるときは、これに応じるように努め、当該買取申込み等が同項第二号に掲げる同意をする旨のものであった場合には、当該同意に係る事業再生計画に従って対象事業者の債務の免除その他の必要な協力をしなければならない。
  2. 政策金融機関等を所管する大臣及び財務大臣は、当該政策金融機関等が対象事業者に係る債権を機構に譲渡し、又は事業再生計画に従って対象事業者の債務を免除した場合における決算に関する書類の承認をするかどうかの判断その他政策金融機関等に対する法令に基づく権限の行使(財務大臣にあっては、政策金融機関等を所管する大臣との協議における判断を含む。)に当たっては、対象事業者の事業の再生を通じて地域経済の再建を図り、併せて地域の信用秩序の基盤強化にも資するようにするとのこの法律の趣旨を尊重しなければならない。

(融資等業務実施法人の協力等)

第六十六条
  1. 一般社団法人又は一般財団法人のうち、法令に基づく融資等業務(資金の貸付け、債務の保証若しくは土地の取得、管理及び譲渡を行う業務又はこれに準ずる業務をいう。以下この条において同じ。)を行うもの又は国の補助金等の交付を受けて融資等業務を行うものとして主務省令で定める者(次項において「融資等業務実施法人」という。)は、機構が事業再生計画に従って対象事業者の債務の免除その他の必要な協力を求めた場合において、当該協力に伴う負担が合理的かつ妥当なものであるときは、これに応じるように努めなければならない。
  2. 前項の融資等業務を行う根拠となる法律又はこれに基づく命令を所管する大臣及び同項の補助金等を所掌する各省各庁の長(以下この項において「法令所管大臣等」という。)並びに財務大臣は、融資等業務実施法人が対象事業者の債務を免除する場合における当該融資等業務実施法人に対する法令に基づく権限の行使(財務大臣にあっては、法令所管大臣等との協議における判断を含む。)に当たっては、対象事業者の事業の再生を通じて地域経済の再建を図り、併せて地域の信用秩序の基盤強化にも資するようにするとのこの法律の趣旨を尊重しなければならない。

(国、地方公共団体、機構等の連携及び協力)

第六十七条
  1. 国、地方公共団体、機構その他の関係者は、事業再生計画に基づく対象事業者の事業の再生を円滑に推進するために協力が必要であると認めるときは、相互に連携を図りながら協力するように努めなければならない。
  2. 国、地方公共団体、機構その他の関係者は、地域再生法(平成十七年法律第二十四号)第七条第一項に規定する認定地域再生計画、都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第四十六条第一項に規定する都市再生整備計画又は中心市街地の活性化に関する法律(平成十年法律第九十二号)第九条第十項に規定する認定基本計画その他の地域の活性化に関する施策の重点的、効果的かつ効率的な推進に当たっては、対象事業者の事業の再生を通じて地域経済の再建を図る観点から、相互に連携を図るように努めなければならない。

第十章 罰則[編集]

第六十八条

  1. 機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員が、その職務に関して、賂賄を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、五年以下の懲役に処する。
  2. 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第六十九条

  1. 前条第一項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
  2. 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

第七十条

  1. 第六十八条第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
  2. 前条第一項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。

第七十一条

機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役若しくは職員又はこれらの職にあった者が、第十四条の規定に違反してその職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第七十二条

第四十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。

第七十三条

次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。
一 第四条第二項の規定に違反して、募集株式を引き受ける者の募集をしたとき。
二 第二十条第一項又は第四項の規定に違反して、登記することを怠ったとき。
三 第二十二条第二項の規定に違反して、業務を行ったとき。
四 第二十五条第七項、第二十八条第四項、第三十一条第二項又は第三十三条第一項の規定に違反して、主務大臣に通知をしなかったとき。
五 第三十九条の規定に違反して、予算の認可を受けなかったとき。
六 第四十二条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書又は事業報告書の承認を受けなかったとき。
七 第四十三条第一項の規定に違反して、資金を借り入れ、又は社債を発行したとき。
八 第四十五条第二項の規定による命令に違反したとき。

第七十四条

第五条第二項の規定に違反して、その名称中に企業再生支援機構という文字を用いた者は、十万円以下の過料に処する。

附則[編集]

附則(平成二一年四月三〇日法律第二九号、我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日[1]から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
二 附則第二十八条の規定 株式会社企業再生支援機構法(平成二十一年法律第   号)の公布の日又はこの法律の施行の日[1](以下「施行日」という。)のいずれか遅い日

(その他の経過措置の政令への委任)

第十三条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。


附則(平成二一年六月二六日法律第六三号、株式会社企業再生支援機構法)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して四月を超えない範囲内において政令で定める日[2]から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第五条第一項、第二章、第十三条、第二十一条、第二十四条、第八章、第五十八条及び第五十九条並びに附則第七条及び第九条の規定 公布の日
二 附則第八条の規定 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第二十九号)の施行の日[1]又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日

(検討)

第二条
政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(経過措置)

第三条
この法律の施行の際現にその名称中に企業再生支援機構という文字を使用している者については、第五条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第四条
機構の成立の日の属する事業年度の機構の予算については、第三十九条中「毎事業年度の開始前に」とあるのは、「その成立後遅滞なく」とする。

脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(2009年(平成21年)6月12日政令第154号)により、2009年(平成21年)6月22日
  2. 株式会社企業再生支援機構法の施行期日を定める政令(2009年(平成21年)8月28日政令第233号)により、2009年(平成21年)9月28日



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