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明治元訳新約聖書(大正4年)/猶太書

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ウィキペディアユダの手紙のページがあります。

[二千九十一]
新約全書しんやくぜんしょ使徒しとユダふみ

本文

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イエス キリストしもべユダすなはヤコブ兄弟書きゃうだいふみめされたるものすなはちちゝなるかみあいせられかつイエス キリストためまもらるゝ衆人ひとゞゝおく
ねがはくは爾曹なんぢら慈悲あはれみ仁愛いつくしみまさんことを



あいするもの我心われこゝろあつくしてともあづかところすくひこと爾曹なんぢらかきおくらんとおもひゐたりしがいまなんぢらにふみおくりて聖徒せいとひとたびつたへられし信仰しんかうみちためちからつくしてたゝかはんこと爾曹なんぢらすゝめざるを
そはかみうやまはず我儕われらかみめぐみかへ色慾しきよく放縦ほしいまゝにするのえんとなし惟一たゞひとりしゅなるかみ我儕われらしゅイエス キリストすつるもの數人潜すにんひそか教會けうくわいいりたればなり彼等かれら此審判このさばきうくることにさだめられたることむかしよりあらかじめしるされたり
なんぢらもとよりしれことなれどわれなほ爾曹なんぢら憶起おもひいださせんとすることしゅそのたみエジプトより救出すくひいだしゝのちしんぜざるものほろぼしたまひしこと
おの本位ほんゐまもらずして其住そのすめところはなれたる天使てんのつかひかぎりなくつなぎおほいなる審判さばきまで幽暗くらやみなかまもおきたまひしこと
ソドムゴモラおよ其比隣そのとなりまちかれらとおなじ姦淫かんいんをなし且男色かつなんしょくおこなふによりかぎりなくばつうけ鑑戒かがみたてられしこととなり
このゆめみるもの亦肉體またにくたいけがしゅたるもの藐忽かろん尊者たふときものそしれり
それ天使てんのつかひをさミカエル惡魔あくまモーセしかばねあらそろんぜしときかれなほこれそしりてうったへざりき惟主たゞしゅなんぢらをせむべしといへ
しかるに彼等かれらしらざるところことそしれり其本性そのうまれつきしるところ無知獸わきまへなきけものしるところとおな彼等かれらこれおのれほろびたり
十一 わざはひなる哉彼等かなかれらカインみちにゆきためバラム迷謬あやまりはせまたコラさからひしごとくしてほろびたり
十二 彼等かれら爾曹なんぢらあい筵席ふるまひいわなりはゞかところなくとも其筵席そのえんせきあづかりて自己みづからやしなへり彼等かれらかぜおはるゝあめなき雲枯くもかれまたかれ
[二千九十二]
ぬかるゝのなきあき
十三 そのけがれ湧出わきいだうみ猛浪道あらきなみみちをななれたるほしなりこれため黑暗くらやみかぎりなく留置とめおかれたり
十四 アダムより七代しちだいあたれるエノク此輩このともがらこと預言よげんしていひけるはしゅその聖萬軍きよきばんぐんともきたりて
十五 衆人すべてのひとさばすべかみうやまはざるものかみうやまはずしておこなひし惡行あしきわざかみうやまはざる罪人つみびとしゅさからひてかたれるすべて惡言あしきことば責給せめたまふべしと
十六 此輩このともがら怨言つぶやくものたることをしらざるものおのれのよくしたがひてある其口そのくちほこることをかたためひとへつらものなり
十七 あいするもの爾曹なんぢらわがしゅイエス キリスト使徒等しとたちさきかたりしことば憶起おもひいだすべし
十八 すなは爾曹なんぢらかたりていふ末期すゑのとき戯譃者あざけるものおこりおの横逆よこしまなるよくしたがひてあゆまんと
十九 彼等かれらみづか區別わかちをなすものまたにくつけものにしてみたまのなきものなり
二十 あいするもの爾曹なんぢらそのとく至潔いときよ信仰しんかううへ聖靈せいれいかんじていの
二一
自己みずからまもりてかみあいうちをりわれらのしゅイエス キリスト永生かぎりなきいのちたま其衿恤そのあはれみまつべし
二二 彼等かれらのうち或者あるものをばろんじてくちつぐましめ
二三 或者あるものをばより取出とりいだしてすく或者あるものをば畏懼おそれあはれむべし其惡そのあくにくよくそみたるころもまでもにくむことをせよ
二四 二五 我儕われら救主すくひぬしなる獨一ひとりかみすなはち爾曹なんぢらつまづかせじとまも爾曹なんぢらをしてしみなくよろこびて其榮光そのえいくわうまへたつことをしむものはじめまへよりいままたのち世々よゝ永遠かぎりなくわれらのしゅイエス キリストよりさかえ榮光えいくわう大能ちからけんたもたまふなりアメン



新約全書猶太書 終