『大祓詞(おおはらえのことば)』は、神道の祭祀に用いられる祝詞の一つである。元々は毎年6月と12月の末日に行われる大祓で、犯した罪・穢れを祓うために唱えられた祝詞。『延喜式』巻八「祝詞」には「六月晦大祓」として記載されており、「十二月も此に准へ」と注記がある。今日使用されている大祓詞は「六月晦大祓」の祝詞を元にしたものである。前段では、葦原中国平定から天孫降臨し天孫が日本を治めることになるまでの日本神話の内容が語られ、国民が犯してしまう罪の内容を「天つ罪・国つ罪」として、罪の祓い方が述べられる。後段では、祓を行うと罪・穢れがどのように消滅するかが語られる。罪・穢れが消滅する様を様々な喩えで表現した後、四柱の祓戸神によって消え去る様子が述べられる。—
ウィキペディア日本語版「
大祓詞」より。
- 神社本庁の大祓詞は、第二次大戦後に民間宗教団体として発足した神社本庁が1948年に例文として示した。内務省制定の大祓詞を奏上体に改めたものであり、教派神道流の中臣祓の系列に属する。
- 内務省制定の大祓詞は、1914年に内務省訓令「官国幣社以下神社遙拜及大祓次第」によって公定されたものである。延喜式の六月晦大祓に準拠して宣下体に復した。ただし、前文や後文を短縮したり、本文から天津罪・国津罪の列挙を抹消したりした。
- 延喜式の六月晦大祓は、平安時代中期に定められた大祓詞であり、現存するものとして最も古い。古代の大祓詞は大祓の参加者に宣り下すものであり、朝廷の大祓では6月末と12月末に百官男女を集めて中臣氏が大祓詞を宣り聞かせた。
- 朝野群載の中臣祭文も大祓詞の一種である。平安時代中期以降、大祓詞は私的な祈祷に転用され、神祇に奏上する形式に改変された。奏上体の大祓詞は、一般に中臣祓あるいは中臣祭文と呼ばれ、神道各派で盛んに用いられた。