イソップ童話集/うしとくるまのしんぼう

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いなかのでこぼこみちで、二三びきのうしが、一つのくるまを、いっしょうけんめいに、ひいていました。
くるまの上には、山のようなにもつが、つんでありました。
くるまのしんぼうは、大してくるしくもないのに、ギーギーと、おそろしい音をたてて、うなっていましたが、あまり、うるさくうなるので、うしたちは、うしろをふりむいて、しんぼうにいいました。
「おいおい、お前さんは、なんだってそんなに大さわぎをするんだ、いちばんほねのおれるのは、私たちなんだぜ、大したこともしていないくせに、そんなからさわぎは、みっともないよ。」